「もう4年生だから、運動会のかけっこも難しくなってきた」
「リレーの選手に選ばれたいけど、伸び悩んでいる」
「小学校最後の運動会、後悔したくない」――。
小学校高学年(4〜6年生)の運動会は、低学年とは別物です。走力で差がつき、フォームの良し悪しが結果を左右し、心の面でも「勝ちたい」という想いがより強くなる年代。だからこそ、ただ「がんばれ」では足りません。
この記事では、元日本代表コーチ2名(中澤優・佐久間滉大)が監修する小学生陸上スクール「ロスティル」が、高学年の運動会で1位を取るための、本当に効くフォーム改善・1週間プログラム・当日対策を徹底解説します。
1. 高学年の運動会、低学年と何が違う?

低学年(小1〜小3)の運動会では「ただ走るのが速い子」が勝てます。生まれつきの脚力、体格、運動神経。これが大きい年代です。
ところが高学年に入ると、勝負の構造が変わります。体格差が縮まり、運動経験のある子が伸びてきます。サッカー・水泳・ダンスをやってきた子が、突然「足が速くなる」現象もよく見ます。逆に、低学年で1位だった子が伸び悩むことも珍しくありません。
高学年の運動会で勝つために必要な4要素
- フォームの完成度(腕振り・足の運び・姿勢)
- スタートからの加速力
- トップスピードを維持する持久力
- メンタル(プレッシャーへの強さ)
つまり高学年の運動会で勝つ鍵は、「持って生まれたもの」ではなく「正しい走り方を身につけているか」。これは私たちが何千人もの小学生を指導してきて、最も実感していることです。
2. 「思春期の入口」体が変わる時期の走り方ポイント

小学4〜6年生は、身長・体重が大きく変わる時期。男の子で年5cm、女の子で年7cm伸びることもあります。これが走り方に大きく影響します。
急成長期に起きる「走りの乱れ」3つ
- 急に伸びた手足の長さに、脳の感覚(協調性)が追いつかない
- 関節周りの柔軟性が一時的に低下し、可動域が狭くなる
- 体は大きくなったのに「低学年の走り方」のままで、ぎこちなさが出る
この時期の高学年は、成長した体に合わせて、走り方をアップデートすることが何より大事。これは本人だけでは気づきにくいポイントなので、外からチェックする必要があります。
親や指導者が見るべきチェックポイント
- 走るときに体が左右に揺れていないか(軸のブレ)
- 着地のときに膝が内側に入っていないか
- 走り終わった後に呼吸が極端に乱れていないか(フォームの効率の指標)
- 走る前後で姿勢が崩れていないか
これらは家庭でも撮影してチェックできます。スマホで横から動画を撮るだけで、本人が自分の走りを「見る」ことができ、改善意識が一気に高まります。
3. 小学校最後の運動会で後悔しないために

小6の子どもにとって、運動会は「最後の運動会」。中学に上がれば運動会はあっても規模が変わり、「親が見守る運動会」の感じはなくなります。
だからこそ、6年生の運動会で1位を取った経験は、その子の一生の宝物になります。
「勝つ」より大事な「やりきる」体験
私たちが指導してきた中で、最も印象に残るのは「1位を取れなかったけど、最後まで全力で走り切った子」です。本気で取り組んだ経験は、結果以上に子供の成長に繋がります。
ただし、本気で取り組むには「やるべきことが明確」であることが必要。何をすればいいか分からないまま「がんばれ」と言われても、子供は迷うだけです。この記事の後半で、「何をすればいいか」を完全に明確化します。
4. 高学年の足が伸び悩む3つの原因

「3年生まで速かったのに、4年生になってから伸び悩んでいる」――こんな相談を多くいただきます。その子たちに共通する3つの原因はこちらです。
原因①:低学年の走り方のまま大きくなっている
低学年では「とにかくピッチを上げて全力で走る」スタイルが速いですが、高学年で体が大きくなるとこのスタイルでは効率が悪くなります。「腕は速く・コンパクトに」「足は弾むように」が高学年のフォームです。
原因②:スタートが弱い
50m走で言えば、最初の10mで全体の半分のタイムが決まります。スタートダッシュの一歩目が遅い子は、その後どんなに速く走ってもトップに追いつけません。スタートは「練習で必ず上達する」ポイントです。
原因③:プレッシャーで縮こまっている
高学年は周りの目を気にし始める年代。「失敗したくない」という気持ちが体を硬くし、思い切った走りができなくなります。これは技術以前のメンタル面の問題ですが、解決法があります(後述)。
5. 1週間で見違える!「フォームを整える」5つの練習

ここからは具体的な練習法。すべて自宅または近所の公園でできます。1週間続けるだけで、明らかに走り方が変わります。
練習①:壁押しでの「真っ直ぐな姿勢」作り
壁に両手をついて、体を一直線に倒した姿勢から、片足ずつ大きく前後に動かします。これで「走るときの正しい体の傾き」を体に覚えさせます。
- 1セット20回 × 3セット
- 注意:腰が曲がらない、視線は前
練習②:その場ジョグで腕振りリセット
その場で軽くジョグしながら、肘を90度に曲げて腕を「上から下に振り下ろす」イメージで振ります。
- 30秒 × 5セット
- 注意:肩の力を抜く、肘の角度を一定に保つ
練習③:ミニハードル(マーカー)またぎで脚の運び
マーカーやペットボトルを5個並べ、その間をスキップで通過。
- 5往復 × 3セット
- 注意:膝を高く・着地はつま先・リズミカルに
練習④:スタートダッシュの「1歩目」反復
線を1本引いて、その後ろから「ヨーイ、ドン!」の合図で5m全力ダッシュ。これを15回。
- 足を鋭く前に引き上げ、地面を後ろに押していく
- 上半身を低く保つ(体を起こさない)
練習⑤:最後まで全力で走り切る練習
50mを最後まで気を抜かず全力で走り切る練習を1日3〜5本。多くの子は途中で力を抜きますが、運動会の本番ではゴールまで全力が出せないと負けます。
6. リレーの花形・アンカーで勝つ走り方

高学年の運動会の華といえば「リレー」。特にアンカー(最終走者)は緊張する一方、最大の見せ場でもあります。
アンカーで勝つ3つのコツ
コツ①:バトンを受けたら「振り向かない」
バトンを受けた瞬間、つい後ろを見て次走者を確認したくなりますが、これがロスを生みます。バトンが入った瞬間、全力で前を見て走り出す。
コツ②:上半身は少しだけ外側に傾ける(リーン・アウト)
コーナーでは多くの子が「体を内側に倒さなきゃ」と思いがちですが、それは逆効果。200m日本記録保持者の末續慎吾選手は、コーナーで「上半身を外側に傾ける」独特の走法を確立しました。これは遠心力を利用して、地面に力をしっかり伝えるためのコツ。外側の足で強く地面を押せるので、減速せずに加速できるのです。小学生も、力任せに体を内側に倒すのではなく、少しだけ外側に傾けて視線を数メートル先に置き、リラックスして走り抜けるのが正解です。
コツ③:最後はリラックスして「弾むように」走り抜ける
日本人初の100m9秒台(9.98秒)を記録した桐生祥秀選手のラスト10mに、勝負の鍵があります。桐生選手の最大の特徴は、ゴール直前でも腕振りがコンパクトで、ピッチ(足の回転)が落ちないこと。多くの選手が後半に力が入って体が硬くなる中、桐生選手は「リラックスして弾むように」走り切ります。ゴール前に力みすぎると逆に減速するというのは、トップスプリンターの共通認識。お子さまにも「最後の数歩はリラックス」「腕は最後まで振る」と伝えてあげてください。
バトンパスの基本
- 受け取る側は「手のひらを相手に見せるように」後ろに出す
- 渡す側は「ハイ!」と声をかけてから渡す
- 渡し終わったらすぐ脇に避ける
7. 当日の朝にやるべきウォーミングアップ

運動会当日の朝、お子さまにやらせるべきウォーミングアップを紹介します。
朝起きてから出発までの15分プログラム
1. 軽いその場ジョグ(3分)
体温を上げ、心拍数を整える。
2. ダイナミックストレッチ(8分)
- 股関節回し(左右10回ずつ)
- もも上げ歩き(10歩 × 2セット)
- スキップ(10歩 × 2セット)
- バウンディング(大股ジャンプ、10歩)
- 腕回し(前後各10回)
3. 朝食はやさしいものを少なめに
- おにぎり1個+バナナ程度
- パンより米のほうが胃に優しい
- 食べすぎ厳禁
レース直前の「秘密の準備」
緊張で固くなった体を、一瞬で「走れる体」に切り替える最強の儀式があります。
- 全力ジャンプを10回:神経を一瞬で覚醒させ、爆発力を引き出す
体の中の眠っていたスイッチが入り、号砲とともに最高のスタートが切れます。
8. 親が絶対にやってはいけないこと

高学年の親が陥りやすい3つの落とし穴です。
NG①:「絶対1位を取れ」とプレッシャーをかける
高学年は親の期待を強く感じます。「絶対」「必ず」という言葉は、子供の体を硬くします。「がんばってきた成果を出そう」が正解です。
NG②:他の子と比較する
「○○くんは速いから気をつけて」「△△ちゃんに負けないで」は禁句。比較ではなく、その子自身の成長にフォーカスしましょう。
NG③:結果が出なかったときに責める
高学年は自分で結果を受け止められる年代。親が責めなくても、本人が一番悔しがっています。「全力出した姿が見られてよかった」と認めるだけで、次の成長につながります。
9. 中学陸上部へ繋げる「次の一歩」
小学校最後の運動会が終わると、次に待っているのは中学校。陸上競技を本格的に始めるかどうか、悩む親御さんも多いです。
中学陸上部で活躍する子の共通点
- 小学校時代に「正しい走り方の基礎」を身につけている
- 「走ることが好き」というモチベーションがある
- 体力よりも「集中力」「継続力」を持っている
ロスティル陸上スクールは、元日本代表コーチ2名(中澤優・佐久間滉大)が監修。中学陸上部・高校陸上部・将来の競技人生を見据えた本格指導を行っています。特に有明教室は、プロ仕様のブリリアランニングスタジアムを練習会場とし、競技志向の小学生にも対応する環境を整えています。
ロスティル3教室の特徴
無料体験レッスンを実施しています。「中学で陸上をやらせたい」「運動会で1位を取らせたい」――どちらの想いも、私たちはお応えできます。
10. まとめ:高学年だからこそ”フォーム”で勝つ
最後にまとめます。
高学年の運動会で1位を取るために必要なこと
- 持って生まれたものより「正しいフォーム」が勝負を決める
- 急成長期の体に合わせて、走り方をアップデートする
- スタートダッシュとリレーのコツを押さえる
- 当日朝のウォーミングアップで万全の準備を
- 親はプレッシャーをかけず、子供の成長を信じる
- この運動会の経験を、中学につなげる
小学校高学年の運動会は、子供にとって「自分で工夫して結果を出す」初めての経験。だからこそ、結果以上にその過程が宝物になります。
ぜひ、お子さまと一緒に1週間プログラムにチャレンジしてみてください。きっと「走るって楽しい」「努力すれば変われる」という気持ちが芽生えるはずです。
そして、もし本気で取り組みたい方は、ロスティルの無料体験レッスンへ。元日本代表のコーチが、お子さまの走りを一人ひとり丁寧に見させていただきます。
関連記事:

コメント